マレーシア市場について調べようとすると、人口、所得、経済成長率、輸入額など、多くの情報が見つかります。これらは市場の大きさや変化を見るために必要な情報です。けれど、自社の商品を出すかどうかを決めるには、それだけでは足りません。

市場調査のご相談を受けたときに最初に確認するのは、調査後に何を決めたいのかということです。マレーシアへ進むか。商品を見直すか。販売先を探し始めるか。判断したいことによって、調べる対象は変わってきます。
同じ商品があるかだけでは、競合は分かりません
競合調査というと、同じ種類の商品を探すことを考えがちです。ところが、現地の買い手は、日本で想定しているカテゴリーとは別の商品と比べていることがあります。
たとえばスイーツであれば、似た形の商品だけが競合とは限りません。同じ価格帯のご褒美商品、家族で分ける商品、手土産として選ばれる商品も比較対象になります。米菓であれば、日本では同じ棚に置かれないローカルスナックと比べられることさえあります。
だからこそ、売場では商品名だけでなく、どの棚に置かれているか、どの価格帯と並ぶか、容量はどのくらいか、どの言葉が大きく表示されているかまで見ていきます。

価格は、数字ではなく選ばれる理由と一緒に見る
日本の商品は、現地商品より高い価格になることがあります。そのときに必要なのは、安くできるかどうかの検討だけではありません。その価格でも選ぶ理由を、買い手が理解できるかどうかを見ることです。
道産食品の現地調査では、北海道という名称への評価があっても、それだけで差別化できるとは限らないことが分かりました。洋菓子では、商品の大きさやクリームの満足感をどう伝えるか。米菓では、WASABIの味、油で揚げていないこと、日本や北海道由来の価値をどの順番で見せるかが検討点になっています。
価格帯、容量、利用場面、商品説明を一緒に見ていくと、日本側が強みだと思っていた点と、現地で分かりやすい点が、必ずしも同じではないことが見えてきます。

認証や表示は、商品と販路によって優先順位が変わります
マレーシア向けの商品では、ハラルや表示について質問されることがよくあります。重要な確認項目ではありますが、すべての商品で最初から同じ優先順位になるわけではありません。
対象顧客、販売場所、輸入方法、現地生産の有無によって、必要な対応と時期は変わってきます。認証を先に考えるべき案件もあれば、まず商品力や提案価値を確かめる案件もあります。法規や認証の最終判断は専門家や所管機関へ確認しますが、市場調査では、事業計画のどの段階で確認が必要かを見ていきます。

実務で確認したいポイントを3つに絞ってお伝えします
- 自社が考える商品カテゴリーではなく、現地の売場で何と比べられるかを見る。
- 価格だけを比べず、その価格で選ばれる理由、容量、利用場面、見せ方を一緒に見る。
- 表示や認証は、商品特性と販路に合わせて、確認する時期を決める。

調査結果は、進むためだけのものではありません
現地を調べた結果、今の条件では難しいと分かることもあります。それは失敗ではありません。商品を変える、対象を変える、現地生産を検討する、時期を待つ――費用をかけて候補企業へ連絡する前に、選択肢を絞り込むことも市場調査の役割です。
HAYASHIYAでは、調査後に決めたいことを伺ったうえで、公開情報、売場、競合、価格、流通、必要な現地ヒアリングを組み合わせます。マレーシアで何を確かめるべきか迷っている場合は、現在の状況をお知らせください。
投稿者プロフィール

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HAYASHIYA Branding and Marketing Consultant 代表
広告・販促・マーケティング・ブランディング分野で30年以上の実務経験を持つ。2014年、クアラルンプールのマレーシア企業でローカルマネージャーとして勤務し、日本企業の販促、イベント、現地での進行管理に携わる。2016年に独立。
現在は、日本企業、自治体・公的支援機関を対象に、マレーシア市場調査、候補企業の選定、商談設定、企業訪問、展示会運営、現地関係者との連携、実施報告まで、案件に応じて一貫して支援している。
主な専門領域:マレーシア市場調査/販路開拓支援/展示会・商談設定支援
リンク:代表プロフィールを見る
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