「どのくらいの数量で、いくらで仕入れられますか?」マレーシアで日本の健康食品を紹介すると、私が早い段階で聞かれる質問です。商品に関心を示した企業から、「日本からバルクで仕入れて、包装はこちらでできますか」と聞かれることもあります。
マレーシアを次の市場として検討するとき、私はまず、現地の販売会社が自社の顧客にその商品を提案できるか、どんな条件なら取り扱えるかを確かめます。
この記事では、私が現地で聞かれたことをもとに、商談前に用意する情報と、相手の反応から次の一手を決める方法を紹介します。

商談前に、注文数量ごとの卸値を用意する
商談前に用意するのは、「何個・何kgなら、いくらで卸せるか」です。
例えば、日本での店頭価格を伝えて「卸値は数量によります」と答えると、現地の担当者は、自社の販路でいくらで売れそうかを計算できません。まず日本側で、初回に供給できる数量と、その数量で提示できる卸値の目安を揃えます。追加発注で価格が変わるなら、どの数量から条件が変わるのかも伝えます。価格に輸送費が含まれているかも、先方が比較できるようにしておきます。
完成品とバルクの両方を検討できる場合は、それぞれの最小注文数量と価格を分けます。
例えば、先方が現地で小容量に包装して販売したいなら、日本の店頭価格だけでは話を進められません。どの容量で、どの売場に出したいのかを聞いたうえで、日本側が供給できる条件を詰めていきます。

バルクで仕入れたいと言われたら、売り方と初回数量を聞く
日本から中身だけ仕入れて、包装はマレーシアでできますか?
健康食品を紹介したときに、こう聞かれることがかなりありました。これは現地での販売コストを下げる目的があります。
このとき私が確かめるのは、相手が現地でどう売ろうとしているかです。どの容量に小分けするのか。どの売場に出すのか。初回は何個分を考えているのか。そこまで聞くと、日本側が出すべき価格も変わります。
例えば、先方が小容量での販売を考えているなら、バルクの1kgあたりの価格と、最小注文数量を揃えます。日本で包装した完成品にも関心があるなら、完成品の卸値とバルクの価格を別々に提示します。
先方が「現地で作りたい」と言う場合は、包装だけを現地で行うのか、製造まで任せたいのかを確認します。
「バルクでできますか?」と聞かれたら、先に現地での容量・売場・初回数量を聞く。 その答えを持ち帰ると、日本側でも、どの形なら供給でき、いくらなら採算が合うかを検討できます。
成分や表示は商品ごとに確認します
原材料・成分、商品形態、予定する表示や広告表現を整理し、該当する商品区分と必要な手続きを個別に確認します。ハラル対応が必要な場合は、販売候補がどの販路で何を求めるかを聞きます。
NPRA公式|食品・医薬品の製品分類ガイド(英語)
「興味があります」と言われたら、次に何を聞きますか?
ある展示会で、私自身が「マレーシアでも関心を持ってもらえるかもしれない」と感じた商品がありました。サンプルを預かり、現地の販売候補に聞いてみると、商品には関心がありました。ただ、取扱いを検討する条件としてハラル対応が挙がり、日本側はすぐに対応するのが難しい状況でした。
このとき分かったのは、商品の特徴に関心を持つ相手がいて、その相手の販路に乗せるには確認すべき条件がある、ということです。
今なら、その段階で「どの販路に出す想定ですか」「条件が揃ったら、次に誰が何を確認しますか」と聞きます。そこまで具体的に聞ければ、日本企業も、その販路を目指して準備する価値があるか判断できます。
「相手の返事に合わせて、次に聞くことを変えます。」
| 相手の反応 | 次に聞くこと |
|---|---|
| 面白い商品ですね | どの商品特徴に関心があり、誰に提案できそうか。 |
| サンプルを見たい | 誰が何を評価し、次の判断をするか。 |
| 条件が揃えば検討したい | 必要な資料・仕様・認証と、採用までの手順は何か。 |
| バルクや現地製造なら検討したい | 想定する包装・製造範囲、初回数量、目標仕入れ価格は何か。 |
支援事例:現地で聞いた条件を、日本企業の判断に戻す
ある日本の健康食品メーカーから、次の海外市場を探していると相談を受けました。マレーシアは候補の一つでしたが、現地でどんな商品が、どの販路で、いくらで売られているかが分からず、自社商品を持ち込むべきか判断できる段階ではありませんでした。そこで、まず関連商品と価格帯、考えられる販売経路を整理し、現地で実際に確かめることを提案しました。
クアラルンプールでは、薬局やドラッグストアで、価格だけでなく、その価格でどのくらいの容量の商品が並び、パッケージで何を伝えているかを見ました。現地のOEMメーカーや流通関係者にも訪問。面談では、どんな味や形状なら提案しやすいか、社内で取扱いを検討するには何が必要かを聞きました。売場で見たことと、商談相手が実際に求める条件を照らし合わせると、日本側でどの資料や供給条件を揃えるべきかが具体的になります。
依頼企業から評価いただいたのは、私が現地の担当者と直接やり取りし、面談後も相手とどう交渉を進めるかを相談できたことです。候補企業に会った後には、「次に誰へ、何を送るか」「こちらでどの条件を詰めてから返事をするか」という仕事が残ります。現地で聞いた話をそこまで整理すると、日本側は、次の商談に進むかを判断しやすくなります。
これから現地企業に打診するなら、まず1商品について「初回に出せる数量と卸値」「完成品とバルクの対応可否」「共有できる成分資料」を1枚にまとめてください。 面談では、相手が想定する売場と、次の検討に必要な条件を聞きます。この2つが揃うと、面談後に何を準備すればよいかが見えてきます。
健康食品の支援事例を見る
自社商品の取扱い可能性を相談したい方へ
HAYASHIYA B&M Consultantは、日本の健康食品メーカー向けに、マレーシアでの販売候補の選定、商品への反応や取扱い条件の聞き取り、現地視察・商談を支援します。
まずは、お問い合わせフォームから、マレーシアで展開したい商品や、いま気になっていることをお聞かせください。まだ方針が決まっていなくても大丈夫です。
内容を拝見し、必要に応じてメールで確認したうえで、進め方をご案内します。フォームからのお問い合わせや、内容を確認するためのメールに費用はかかりません。
オンライン面談で個別のご相談や具体的な提案をご希望の場合は、初回コンサルティング(60分・33,000円/税込)をご案内します。現地企業への打診や調査をご希望の場合は、業務の範囲を確認し、着手前にお見積りします。
投稿者プロフィール

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HAYASHIYA Branding and Marketing Consultant 代表
広告・販促・マーケティング・ブランディング分野で30年以上の実務経験を持つ。2014年、クアラルンプールのマレーシア企業でローカルマネージャーとして勤務し、日本企業の販促、イベント、現地での進行管理に携わる。2016年に独立。
現在は、日本企業、自治体・公的支援機関を対象に、マレーシア市場調査、候補企業の選定、商談設定、企業訪問、展示会運営、現地関係者との連携、実施報告まで、案件に応じて一貫して支援している。
主な専門領域:マレーシア市場調査/販路開拓支援/展示会・商談設定支援
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