お知らせ
マレーシア政府のハラル産業マスタープラン2030(HALAL INDUSTRY MASTER PLAN 2030)について
HALAL INDUSTRY MASTER PLAN 2030(ハラル産業マスタープラン2030)とは
マレーシアでは、ハラル産業強化を図るため下記内容を2023年3月23日に始動しました。
そして、当時テンク・ザフルル通産相は「世界全体で20億人に上るムスリム人口を活用するために、ハラル・エコシステムの強化に全力を尽くす」と明言しています。
【ビジョン】:ハラル産業のグローバル・リーダーを目指す
- ・強固で多様な国内ハラル産業
 - ・ビジネスのしやすさ
 - ・競争力のあるビジネス参加
 - ・ハラル・マレーシアのグローバル化
 - ・エンド・ツー・エンドのシャリア・コンプライアンスの達成。 顕著で、可視化され、グローバル化したハラル・マレーシア
 
【目標】:HALAL INDUSTRY MASTER PLAN 1.0で築かれた基盤を活用・強化し、国内事業をグローバルプレイヤーに拡大する
- 1.マレーシアのハラル産業への世界的参入をさらに推進する
 - 2.マレーシアのハラル製品、誠実さ、ノウハウを世界規模で発展させるダイナミックなハラル産業エコシステムをさらに発展させる
 - 3.ハラル産業を有利で競争力のあるビジネスチャンスとして位置づける
 - 4.雇用の創出、包括的な機会、持続可能で倫理的な慣行の遵守を通じて、経済の成長、社会全体の幸福に積極的に貢献する
 
【戦略】
前述のビジョンと目標を達成するために、具体的に戦略は大きく分けて7つにまとまっており、今後のハラルを活用してのビジネスを検討するために、重要な要素がたくさん盛り込まれています。
①ハラール産業に友好的な政策と法規制の強化

- ・ハラールビジネスのエコシステム全体をより良くサポートするために、ハラール産業に関連する政策と法律を合理化する
 - ・ハラール認証と基準スキームを向上させ、商業的なトレンドを補完しサポートする
 - ・マレーシアのハラルロゴの世界的な受け入れと認知を強化し、国境を越えた取引の円滑化を支援する
 
②マレーシアのハラル製品とサービスのための新しく大きな市場空間の創出

- ・貿易量を増加させるために、ターゲットとする流通チャネル/国とのグローバルな協力を強化する
 - ・マレーシアのハラルブランド(エコシステムと共有価値)を、的を絞ったプロモーション手法で促進する
 - ・多国籍企業や合同会社との戦略的協力関係を強化し、ハラル製品の流通・マーケティングチャネルを多様化させる
 
③世界的なニーズに対応するため、ハラル専門家および専門家の育成と確保

- ・政府の認定枠組みに基づき、ハラル経験者や熟練労働者の能力を向上させる
 - ・主要な教育・訓練プログラムにハラル技術・職業知識を組み込むイニシアティブ
 - ・技術・科学分野におけるハラル専門家の育成と認知の促進
 
④質の向上と総合的なインフラ整備

- ・ハラル関連の投資先としてハルマス(Halmas)ハラルパーク*設立 *HDC(ハラル産業開発公社)の要件に従い開発されたハラルパーク
 - ・革新的な支援サービスを導入し、持続可能な投資を促進する
 - ・ハラルサプライチェーンの連結性を向上させるため、共有施設の有効性を高める
 - ・ハラル関連ビジネスを支援するデジタルプラットフォームの統合を促進させる
 
⑤リーダーシップの育成

- ・業界のベストプラクティスとトレンドセッターのグローバルベンチマークとしてのマレーシアハラルエコシステムの強化
 - ・情報に基づいた意思決定と業界の先見性を獲得するためのハラルデータ分析能力の向上
 - ・政策決定とビジネス開発戦略をサポートするために、ハラル特有のインテリジェンス情報を作成する能力を向上させる
 - ・ハラル産業関連の開発アジェンダに科学、技術、イノベーションを取り入れる
 
⑥より多くの国産ハラルチャンピオンを生み出す

- ・マレーシアの 中小零細企業(MSME) の競争力を高め、高付加価値のハラル製品とサービスを生産する
 - ・政府系投資会社(GLIC)やベンチャーキャピタル(VC)がマレーシアのハラルMSMEに投資し、成長を加速させる
 - ・ハラル・ホーム・グロウン・チャンピオンのブランドを強化、地元 MSME のハラル産業への参加を奨励する
 
⑦ハラル産業への競争力のあるブミプトラ(マレー系及び先住民族)の参加の促進

- ・業界におけるブミプトラの貢献を刺激するために、関係者の協力を促進する
 - ・ビジネスと収入を向上させるためにブミプトラ家内工業を産業化するイニシアティブ
 - ・ハラル産業への持続可能なブミプトラ参加に向けたイネーブラー(Enabler)の強化
 
いかがでしょうか?これらの戦略が大きなポイントとなっています。マレーシア投資貿易産業省傘下のハラル開発公社(HDC)は、ハラル貿易や関連産業を強化するため、イオン・マレーシアなどと覚書を締結したりしています。
この時マレーシア・ハラル産業開発評議会会長も務めるザヒド副首相「両国が協力することが重要であるとし、日本のムスリム人口は比較的少ないが、日本のハラル市場の成長の余地は大きい」と述べています。
ますます、これらの戦略を元にマレーシアのハラルに対する動きが注目されると思います。

